2019年1月 6日 (日)

1/6 今週の見通し-米金融政策は景気配慮へ、市場の不安は和らぐか-

おはようございます。昨日の温かい日からうって変わって、本日は寒さが厳しい日となりました。この後、部分日食がみられるようですので、見てみたいですね。

■今週の予想レンジ

Ccy Low(下) ~ High(上)
ドル/円 107.5 ~ 110.4
ユーロ/円 122.6 ~ 125.8
ポンド/円 133.7 ~ 140.6
豪ドル/円 75.2 ~ 78.8
NZドル/円 71.6 ~ 74.5
南アランド/円 7.5 ~ 7.9
中国人民元/円 15.55 ~ 16.05
香港ドル/円 13.65 ~ 14.15
ユーロ/ドル 1.126 ~ 1.154
ポンド/ドル 1.243 ~ 1.287
豪ドル/米ドル 0.694 ~ 0.728
NZドル/米ドル 0.665 ~ 0.68

【今週の見通し】
先週は年末年始で本邦勢をはじめとして市場参加者が少ない中、米政府閉鎖は継続、2019年の年初に当たり、米景気への減速観測などが多く語られたこともあり、リスク回避の動きが先行、アップルが第1四半期の売り上げ見通しを下方修正したことで、世界的な景気減速懸念から、市場の薄い東京の時間帯に、ドル/円は105円台前半(メディアなどでは104円台後半)まで下落、クロス円も軒並み下落しましたが、大幅な下落の後はショートカバーの買い、値頃間の買いもあり続落は免れました。本邦参加の4日には日経225平均株価こそ下落しましたが、財務省・日銀・金融庁の3者情報交換会を開始するとの報道や浅川財務官の「投機的な動きがあるかどうか注視したい」「為替について必要なことがあれば適切に対応する」との牽制発言などで円買いも限定的となり、パウエルFRB議長「必要に応じて迅速かつ柔軟に政策を調整する用意がある」(ジョージア州のイベント)などと発言したことで、FRBの金融政策への期待感からNYダウが大幅上昇、リスク回避の巻き戻しで週の取引を終えました。

■米雇用統計(単位:千人、%)

項目 10月 11月 12月
雇用者数増減 +274 +176 +312
雇用者数 149,775 149,951 150,263
財生産 20,851 20,878 20,952
民間サービス 106,533 106,679 106,906
政府 22,391 22,394 22,405
失業率 3.76% 3.70% 3.86%
労働参加率 62.9% 62.9% 63.1%
広義の失業率 7.5% 7.6% 7.6%
27週以上の失業割合 22.3% 20.7% 20.5%

source:U.S. Bureau of Labor Statistics

他方、週末に発表された米雇用統計は労働参加率が63.1%に上昇する中で、失業率は3.86%へ悪化しましたが、非農業部門雇用者数は31.2万人の大幅な増加となり、完全雇用の中でも雇用の強さが示されています。FRBの責務の一つであり、雇用の極大は達成されている中で、パウエル米FRB議長が12月の米FOMC後の記者会見の修正的な発言を行ったことが市場の不安心理をやわらげた感には、個人的には違和感があります。もともと、アップルの売り上げ下方修正は、中国経済などの減速見通しであり、その原因となる米中貿易交渉は7-9日の次官級の会談でも解決の方向に向かう気配はなさそうです。また、昨年12月下旬から続いている米政府機関閉鎖もトランプ米大統領がメキシコの壁建設の予算に強い執着をしていることに共和党幹部も追随する発言を行っているため、打開の目処はたっていません。週始めこそ、アジア、欧州の株価は上昇(半分は先取りしている思われるが)してリスク回避の巻き戻しが続くものと思いますが、米ISM非製造業やドイツの鉱工業生産、中国および米国の消費者物価指数の低下などがみられると、再びリスク回避の動きに繋がることも十分考えられます。

【通貨ペア週間騰落率】 ratio※図をクリックすると拡大します。source: uedaharlowfx

【ドル】
パウエル米FRB議長はイエレン前FRB議長、グリーンスパン元FRB議長とともに、ジョージア州のイベントに参加し、「良好な経済指標と金融市場に緊張がある」「今日の指標は非常に強かった」「データはインフレ懸念を高めていない」「FRBは市場のリスク懸念に慎重に耳を傾けている」「必要に応じて迅速かつ柔軟に政策を調整する用意がある」などと発言、投資家の不安心理をやわらげたことで、米株価は大幅な上昇、ドル/円も108円台ミドルまで戻しました。発言内容は強い雇用統計(労働参加率の上昇、27週以上の失業率の低下、不完全失業率の改善、時給の上昇など)と矛盾があり、先週3日の円の急騰は別物としても、不安要因となっている米中貿易交渉などへの不透明感は払拭されていませんので、引き続き米経済指標の下振れ(特にISM非製造業景況感には)注意が必要だと思います。それ以外でも週末の発表予定の米消費者物価指数(CPI)で物価の伸びがみられなければ、米利上げ継続に"黄信号"が点り、米長期金利低下からドルの戻りは抑えられるのではないでしょうか。

回帰トレンド-2σ(110.16円)から大幅に乖離、ストキャスティクス(スロー)はゴールデンクロスしました。まずは回帰トレンド-2σへ向けての戻りとなりそうですが、週足/一目/雲を下抜けしていますので、トレンドは下落が継続、雲(109.67-109.76円付近)戻りのレジスタンスとなるのではないでしょうか。

【ユーロ】
ドルの軟調地合いからユーロ/ドルは確りした地合いとなったものの、世界的な景気減速懸念でリスク回避が強まった3日にはドルに対しても下落、週を通し見ると小幅ながら下落となっています。ユーロ/円はリスク回避の円買いが強く下落トレンド継続なりました。今週はドイツやユーロ圏で実体経済の経済指標(小売売上高や鉱工業生産など)が発表されるため、ユーロ圏の景気減速が想起されるような内容となると、先週末に発表されたユーロ圏の消費者物価指数(HICP)が低下していたことで、ECBの金融政策へも影響を与えそうです。もっとも、12月のECB理事会では、2019年秋以降の利上げの方針は変えていないことから、議事録で再確認された場合には、下支えの材料となるかもしれません。

ユーロドルは日足/一目/雲(1.1350付近-1.1513ドル)を一時下抜けはしたものの、概ね雲の中での推移となっています。1.13ドルと昨年11/13安値(1.1213ドル)でサポートとして雲の上抜けを試すかもしれません。
ユーロ円は回帰トレンド-2σ(124.24円)を下抜けて下落が加速しました、ロウソク足は下に長いヒゲをつけて、ストキャスティクス(スロー)はゴールデンクロスしています。戻りのレジスタンスは昨年12/25安値(125.45円)、21日移動平均線(126.82円)とみられます。

【ポンド】
英も年末年始で市場参加者が少ない中、メイ英首相とEUが合意した「離脱協定案」を巡る発言はほとんど出ず、世界的な景気減速懸念でリスク回避が先行、ボラティリティは高くなったものの、ポンド/ドルは上昇、ポンド/円は下落が継続しました。次週はメイ英首相が「離脱協定案」の採決行うと発表した週にあたるため、「承認」「否認」を巡る思惑が市場をかく乱する可能性があります。また、離脱強硬派、残留派が発言を活発化させる可能性も高いため、ポンド売りが持ち込まれる可能性も高そうです。ただ、足許の景況感(PMI)は製造業、サービス部門が改善を示し、建設業は小幅な悪化にとどまっていることで、貿易収支や鉱工業生産もポンド安によっての改善がみられそうであり、比較的市場が落ち着いた場合には、ポンド/ドルでは底堅い動きとなるかもしれません。

ポンドドルは昨年12/12安値(1.2471ドル)、回帰トレンド-2σ(1.2422ドル)付近でサポートされました。振幅は拡大傾向となっていることから、55日移動平均線(1.2782ドル)から日足/一目/雲下限(1.2877ドル)付近との間のレンジの動きとなると思われます。
ポンド円は回帰トレンド-2σ(137.91円)から大幅に下に乖離しましたが、週末には戻ってきました。ストキャスティクス(スロー)はゴールデンクロスしていることで、回帰トレンド-2σ付近ではサポートされると思いますが、戻りは日足/一目/基準線(139.26円)から21日移動平均線(140.93円)付近で押さえられると下方向へのトレンド継続から136ン割れとなる可能性があります。

【豪ドル】
中国製造業PMI、同Caixin製造業PMIの下振れに加え、アップルの第1四半期売り上げの下方修正による世界的な景気減速懸念でリスク回避が先行したことで1/3(木)の朝には豪ドル/米ドル、豪ドル/円は一時大幅な下落に見舞われました。週末にはバーナンキ米FRB議長の「FRBは市場のリスク懸念に慎重に耳を傾けている」「必要に応じて迅速かつ柔軟に政策を調整する用意がある」などとの発言に米株価が大幅な上昇、豪ドル/米ドルは下落分を取り戻してさらに上昇、豪ドル/円も下げ幅の役8割ほどを取り戻しています。今週は豪ドルも貿易収支や小売売上高などの経済指標が発表されます。また、中国も消費者物価指数の発表もありますので、こうした経済データの確認をして、豪準備銀行(RBA)の次の方向性に変化がないかを探ることになるのではないかと思います。ただ、あくまでも米株価が主導する状況は継続しそうです。

豪ドル米ドルは週末に大幅上昇、日足/一目/基準線(0.7108ドル)、21日移動平均線(0.70114ドル)をわずかながら回復しました。下は転換線(0.6973ドル)でサポートされると思われ、55日移動平均線(0.7170ドル)から雲(0.7181-0.7225ドル)を試す可能性がありそうです。
豪ドル円は回帰トレンド-2σ(76.98円)から下に大幅に乖離しましたが、週末にはかろうじて回復する水準まで戻っています。ストキャスティクス(スロー)がゴールデンクロスしているため、日足/一目/基準線(78.37円)から21日移動平均線(79.26円)付近を試す可能性もありますが、この付近がレジスタンスとなると、1/3(木)の下落は行き過ぎと考えられるため、75円付近までの下落が想定されます。

【USDJPY/EURJPY/GBPJPY/AUDJPYチャート】 chart※図をクリックすると拡大します。source: UH Standard Chart

【日、週、月、年データ】 range※表をクリックすると拡大します。source: uedaharlowfx

■重要イベント event※表をクリックすると拡大します。

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