2019年1月13日 (日)

1/13 今週の見通し-英議会、否決でもポンド以外への通貨の影響は限定的か-

おはようございます。民法の改正が順次施行され、まずは遺言書作成のルールが緩和されます(私個人には関係ないですが)。渋滞すべて手書きだった目録のパソコンでの作成や預金通帳、登記簿謄本のコピーの使用が認められています。遺言者の負担が減ることや記載ミスを防げることに繋がれば相続での争いが軽減されるかもしれませんね。ただ、残された家族が無用な争いをしないように、費用は掛かりますが、プロに立ち会ってもらう公証人役場での公正証書の作成がベストでしょうね。

週末はドル円は108円台ミドル付近で終わっていますので、月曜朝のフラッシュ・クラッシュのリスクは小さくなったと思います。もっとも1/3で円ショートは大方吐き出されてしまいましたので、早々、急落にはならないと思います。今週はポンド以外の通貨は英議会の採決での波乱に巻き込まれないように、証拠金を厚く積む(レバレッジ5倍程度に抑える)などは取っておいたほうが良いと思います。

■今週の予想レンジ

Ccy Low(下) ~ High(上)
ドル/円 106 ~ 109.8
ユーロ/円 122.6 ~ 125.8
ポンド/円 135.6 ~ 142.8
豪ドル/円 75.9 ~ 79.6
NZドル/円 72.4 ~ 75.6
南アランド/円 7.65 ~ 7.95
中国人民元/円 15.8 ~ 16.25
香港ドル/円 13.7 ~ 14
ユーロ/ドル 1.134 ~ 1.157
ポンド/ドル 1.254 ~ 1.302
豪ドル/米ドル 0.711 ~ 0.733
NZドル/米ドル 0.673 ~ 0.688

【今週の見通し】
先週は当初7-8日予定されていた次官級の米中貿易協が3日間となり、中国は貿易担当閣僚などが参加、米中両国が進展があったと発言、市場心理は改善しました。また、トランプ米大統領はテレビ演説で国境の壁建設を巡る非常事態宣言の発言は行われませんでした。更に複数の米金融当局者が利上げに対して慎重な見方が示されたことで米株価が堅調地合いとなったことで円の売戻しに繋がっています。

今週も米政府閉鎖が続くことが予想されるため、米小売売上高などの発表が延期される可能性があり、ポンド以外では手掛かりが限られる展開が予想されます。そのため、1/15(火)の英議会での採決は警戒を要するものの、方向感が掴みにくいためレンジの動きを予想しています。

【通貨ペア週間騰落率】 ※図をクリックすると拡大します。source: uedaharlowfx

【ドル】
政府閉鎖は22日を超えてきています。メキシコとの国境の壁建設を巡ってはトランプ米大統領が非常事態宣言も辞さない構えで強硬姿勢を崩さず、下院で過半数を奪還した民主党も姿勢を崩さず、事態打開の目処は立っていません。一方で米中貿易協議は週末にムニューシン米財務長官が「劉鶴・中国副首相、今月中に通商協議で訪米の可能性が高い」と米中貿易協議の進展を印象付ける発言を行っていますので期待を持っていることで円売り地合いは継続しやすいと思います。ただ、米政府閉鎖による米貿易収支の発表がないため、中国貿易統計が注目されやすく、黒字が増加していると摩擦再燃の懸念、黒字が減少していると景気減速懸念でのリスク回避の動きが出てくる可能性があります。また、1/15(火)に予定されている英とEUの離脱協定案の議会採決で否決された場合には、一時的にリスク回避の円買いに繋がる可能性があります。この場合、1/3に円が急騰していることで、フラッシュ・クラッシュのような急激な円高に繋がる可能性は低いと思われます。経済指標ではNY連銀製造業景気指数、小売売上高(発表されない可能性あり)、ベージュブックなどが手掛かりとみられますが、景況感の悪化や米景気に対して減速が示されていた場合には米長期金利の低下からドル売りに繋がるものと思いますが、方向感を決定づけるには至らず、108円台を中心とした上下1円程度のレンジに留まるのではないでしょうか。

先週は109円飛び台で2回戻りを押さえられる一方で108円割れは拾われる狭いレンジの動きとなりました。日足/一目/転換線(107.80円)が切り下がっているため、この水準でサポートされる可能性は高いと思われます。また、回帰トレンド-2σ(109.22円)からはしてに位置していますので、基準線(109.48円)付近が戻りのレジスタンスとみています。

【ユーロ】
材料が少ない中、米中貿易協議の進展期待や米ドルの下落から相対的にユーロは上昇、ユーロ/ドルは一時1.15ドル台後半まで上昇しましたが、週後半には1.14ドル台に押し戻されています。ユーロ/円は125円台に一時上昇したものの、こちらも週後半に124円ミドル割れまで上げ幅を縮小しました。ECB理事会の議事要旨では、「不確実な環境のなか、リスクが巡ってきている」「金利のガイダンスは優先手段」「GDP見通しの引き下げはリスクが均衡していることを正当化。ユーロ圏の経済活動のリスクは下向き」と景気減速を肯定するような内容となっており、ノボトニー・オーストリア中銀総裁は週末に「トランプ米大統領や中国など様々なリスクが見受けられる」「成長率は緩やかだが、ポジティブな領域だ」「最近の経済指標が予想よりも悪いのは明らかだ。貸出条件付き長期資金供給オペ(TLTRO)の決定をするのは時期尚早」「依然として今年の利上げは想像できる。第4四半期の独の成長率はかなり低くなるだろう」と市場に出ている資金供給や利上げの先送りを牽制した形となっています。ただ、フランスではマクロン大統領の政策へ抗議するデモが続いており、EUの安定が不安視される事態となると、ユーロの下振れリスクが高まる可能性があります。経済指標もユーロ圏の鉱工業生産や建設支出、ドイツとユーロ圏の消費者物価指数の改定値の発表が予定されている程度となりますので、ドルと相対的な動きとなると思います。他方、英と合意したEU離脱協定案が英議会で否決された場合には、一時的にユーロ売りとなる可能性があります。また、3日以内にメイ英首相が提出する代替案次第ではポンド売りからの欧州通貨の下振れ懸念もありそうです。

ユーロドルは日足/一目/雲を一時上抜けたものの、回帰トレンド+2σを上抜けたところでレジストされて、雲の中に押し戻されました。先週高値(1.1569ドル)の上抜けを試す可能性があり、雲上限が切り下がってくるため、雲(1.1358-1.1416ドル)付近ではサポートされる公算が大きいと思います。
ユーロ円は日足/一目/基準線(124.10円)がサポートとなり、回帰トレンド-2σ(123.67円)の上は維持されました。ただし、昨年12/26安値(125.46円)に届かず、124円台でのレンジにとどまっています。引き続き回帰トレンド-2σと125円台ミドル付近でのレンジになるのではないでしょうか。

【ポンド】
EUと合意した「離脱協定案」の採決が15日(火)に実施されます。先週再開された英議会では、8日に「政府は議会の承認なしに無秩序なEU離脱を決定できない」とする案が僅差で可決されたものの、9日には否決された場合には、3日以内に代替案を提出する必要がある(従来は21日以内)が可決するなど、不透明感が増しています。承認の場合は3/29の離脱、移行期間入りとなりますが、否決された場合に3日以内に政府から代替案の審議・採決、出なかった場合には、議合意なき離脱の承認が採決されることになりそうですが、ここで否決されるとメイ英首相も八方塞がりとなり、2回目の国民投票か、解散総選挙の実施に踏み切らざるを得ないものと思います。ユンケル欧州委員長は「まだブレグジットの交渉がまとまると望んでいる、合意できないと最悪なことになる」「ブレグジットが承認されるために全ての努力が必要だ」と発言、EUはアイルランドのハードボーダーを巡っての議論の余地はないことを示ししています。市場では、なお議会が離脱協定案を承認するとの期待が持たれているため、否決された場合には一定のポンド売りが出てきそうです。今週は消費者物価指数(CPI)や小売売上高指数の発表がありますが、政治的な動きが優先されるため、指標への反応は限られそうです。

ポンドドルはジワリと上昇、日足/一目/遅行線がロウソク足の上に抜け出ました。また、切り下がってくる雲に入りかけているため、雲がレジスタンスとなれば反落して1.26ドル割れを試す、1/3安値(1.2413ドル)からさらに下を探る展開、雲の上抜けると12/12からの上昇トレンドが継続することになると思われます。昨年11/7高値(1.3173ドル)付近まで上昇する可能性があります。
ポンド円は5日移動平均線を回復後は、同線でのサポートが続いています。ただ、140円には届いていないため、21日移動平均線(139.92円)を上抜けられれば142円台、押さえられれば日足/一目/転換線(136.66円)を下抜ける可能性があります。

【豪ドル】
米中貿易協議の進展期待や米の金融当局者が利上げに慎重姿勢を示したこと、米FOMC議事要旨の内容がハト派的だったことで米株価が確りした動きなったことで、豪ドルも堅調地合いとなりました。今週は、週初に中国貿易収支の発表がありますので輸入や輸出の動向に注目となります。豪ではウエストパック消費者信頼感指数、住宅ローン件数の発表が予定されているため、インパクトは小さいものの、市場はこれらを手掛かりに動くものと思います。一方で、「離脱協定案」の英議会審議は仮に否決されたとしても豪ドルへ与える影響は軽微となると予想しています。一時的な急落には備える必要があるかもしれませんが、むしろ、突っ込みが大きければ買う動きでもよいのではないでしょうか。

豪ドル米ドルは日足/一目/遅行線が雲の上に抜け出ました。ロウソク足も雲の中に僅かに突入、雲(0.7205-0.7280ドル)の上抜けを試しそうです。その一方で、ストキャスティクス(スロー)は高位張り付きの兆候が出ていますので、当面は堅調地合いの継続が予想されます。ただ、雲がレジスタンスとなった場合には、ストキャスティクス(スロー)のデッドクロスとなり下落圧力が出てくると思います。
豪ドル円は日足/一目/基準線(76.60円)をサポートとして21日移動平均線(78.41円)手前まで上昇してきています。21日移動平均線を上抜けると55日移動平均線(80.51円)が見えてきます。ただ、ストキャスティクス(スロー)はデッドクロスしていないものの、%Dは90を超えており、SDも90と高い水準にあるため、79円台から80円にかけてはレジスタンスされる可能性があります。

【USDJPY/EURJPY/GBPJPY/AUDJPYチャート】 ※図をクリックすると拡大します。source: UH Standard Chart

【日、週、月、年データ】 ※表をクリックすると拡大します。source: uedaharlowfx

■重要イベント ※表をクリックすると拡大します。

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